19世紀のドイツの社会学者、マックス・ヴェーバーは、北ヨーロッパやアメリカ合衆国において、19世紀に資本主義が大きく発展した背景にあるのは、これらの国々がプロテスタント国でもあったことに注目しました。このことから、ヴェーバーは、宗教改革を推進したルターやカルバンの信仰に、「一生懸命に働くことが善いことである」とする思想を見出し、そのことが資本主義の発展に大きな影響を与えたとの結論を導き出しました。カトリック教会では、「神への祈り」を最優先し、働くことは生きるための手段と教えるのに対して、ルターもカルバンも、「市民にとって一生懸命に働くことは、神の意思にそった行為である」と説きました。特にカルバンは、「神から与えられた仕事を一生懸命に行わなければ、最後の審判で「地獄行き」を命じられる結果になる」と教えました。そのようなプロテスタントの倫理観(道徳観)が、資本主義の発展を助けたとしたのが、ヴェーバーの説でした。詳しくは、マックス・ヴェーバー著「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を参照してください。
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